緑の減少と沙漠化
沙漠化の進行は深刻です。自然要因に加え、森林伐採や家畜の放牧等人為的な原因で年間600万haの割合で進行しているといわれています。地球が生命を宿す星として存続するためには、森林の消失、沙漠化の進行をくい止めなければなりません。
沙漠化の影響
沙漠化の影響を受けている土地は36億haで、全陸地の25%に相当します。
また、全人口の6分の1に当たる約9億人が影響を受けています。沙漠化は、農地や牧草地に影響し、食料生産の減少を引き起こします。食糧供給の悪化は、飢餓・貧困、難民発生、それによる政情不安などを引き起こし、深刻な問題へと転じていきます。また、生態系を破壊し、さらに温暖化の進行など大規模な気候変動の一因にもなります。これらは相互に原因因子となり、悪循環を生成し、拡大を続けます。どこかで悪循環の糸を断ち切らねばなりません。そのために沙漠の緑化が必要なのです。
緑化の可能性と沙漠開発
不毛の地と言われ続けてきた沙漠は、実は限りない可能性を秘めています。日光と地下水が豊富で温度格差のある沙漠は、耕作地として適しています。実際に、植林地の恩格貝では、花卉、果樹栽培などを試み、一部商品化に成功した例もあります。降り注ぐ太陽は、太陽光・熱エネルギーとして利用できます。アメリカのネバダ沙漠などでは、太陽光発電、風力発電などが実用化されています。また、石油、石炭、鉄鉱石をはじめとする地下資源が眠っていて、資源・エネルギー源としても有望です。
これら農業や鉱工業など産業の育成には、そこで働く人のための住環境の整備が、まず必要です。つまり沙漠緑化は、沙漠開発の基礎であり、はじめの第一歩と言えるでしょう。緑化は決して難しいことではなく、場所の選択と適当な設備の投入で実現
可能です。そのためには、私達一人一人の正しい沙漠の理解と協力の持続が不可欠です。