沙漠の豆知識
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沙漠とは 雨の降らない地域、乾燥地のことを一般的には呼んでいます。
《中国では沙漠という漢字を用います。日本では砂漠と書きますが、意表文字で表せば“沙”の字になりますので、当協会では今後共沙漠の字を用います。》
A) 日本人のイメージにある砂丘の沙漠は、砂沙漠と呼びます。それ以外には塩沙漠、土沙漠、岩沙漠と分類しています。
B) 日本の地図上にある中国内モンゴル自治区から、北のモンゴル国まで広大に延びている沙漠をゴビ沙漠と称していますが、本来は、ゴビとはモンゴル語で石ころのごろごろした状態を示します。
従って、中国内モンゴルにあるゴビ沙漠(総称)はクブチ沙漠、モウス沙漠、トンゴリ沙漠、バダンジャリン沙漠、テンゲル沙漠など多く10以上に分けることが出来ます。
C) 当協会が1991年から植林を行っている恩格貝地区は、クブチ沙漠の中の砂沙漠の一角であり、近くには土漠も有るし、クブチ沙漠の奥地オルドス高原近くに行くと、小石や砂利がごろごろした礫(れき)漠(ばく)=岩石沙漠もあり、また、砂丘に囲まれた塩漠も存在します。
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一般的に年間降雨量300ミリ程度までの乾燥地を沙漠、600ミリ程度なら半沙漠と呼んでいます。
沙漠化の経緯
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沙漠は南北両半球とも中緯度高圧帯(緯度30度付近)あたりに帯状に分布しています。これは貿易風(注1)と、反貿易風(注2)の影響を受け形成されるからです。これを気候沙漠と呼んでいます。
注1:緯度30度付近から赤道に向かって吹く風。空気中の水分を集め、赤道付近に近づくと多量の雨を一気に降らせる。
注2:貿易風の上層を逆方向に吹く風。からからに乾いた風で、極に近づくと空気は冷やされて重くなり地上に下りていく。緯度30度付近にあたる。
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貿易風の影響を受けた上に、寒流の影響を受けた海岸沙漠もあります。アメリカのカリフォルニア州、チリ、ペルーの沙漠、アフリカのカラハリ沙漠、中東ペルシャ湾の沙漠地帯がそれです。
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雨の元となる、海からの湿った空気が供給できない為に出来た、内陸沙漠もあります。中国のタクラマカン沙漠、ゴビ(総称)沙漠、サハラ沙漠の中央部と南部の沙漠がそれです。